世界が雨に啼く音

I CAN'Tで語る言葉たち…   

オーディオカルト宗教

走り続ければやがてランナーズハイになり、ドーパミンがドクンと流れ出し、心地よいままでゴールへ行ける気持ちになるが、ランナーズハイは覚める時が必ず来る

オーディオカルト宗教はランナーズハイ状態に似ている

ピュアオーディオなどと言ったりもするが、総額数千万円をオーディオ環境に使ってしまう洗脳と同じある種のカルト宗教

信者は中年から高齢の方が多い様子で、オーディオカルトで培った様々な横文字を巧みに並べ、胸を張る

それはランナーズハイが覚めていないだけの状態で、私のように音楽を作る側になると違和感と言うか、非現実的な妄想である事を知ることが出来る

まず、どんなに高額なオーディオ環境を整えたとしても目の前でギターを弾きながら歌ってくれる人の歌声や演奏の音には叶うことは絶対にない

音というのは発せられた情報(音)が空気中を振動し、鼓膜に伝わり、脳へ運ばれ、音を理解をする

正常な鼓膜があれば4つの工程を無意識的瞬間的に得ることが出来る、まあこれは普通の事なのだが、オーディオカルト教団ではオーディオによる生音を追求しているそうだ

オーケストラのCDやレコードを聴くためにおかしなアクセサリを買うくらいなら演奏会へ行って聴いた方がいいのではないでしょうか

あと、オーディオカルト信者のレビューでダイナミックレンジという言葉をとにかくよく聞くが、使い方からしてダイナミックレンジの意味を理解していないように見受けられる

「ダイナミックレンジが増えた」

ダイナミックレンジとはそもそもわかりやすい例を邦楽の人気バンドTUBEで挙げると、CD付コンポのボリュームを9時の方向に合わせ、1988年に発売された当時のTUBEのシーズンインザサンのシングルCDを1曲聴いてから2015年に発売されたSUMMER TIMEのシングルCDを再生するとどうなるか?

誰もがSUMMER TIMEの方が音がデカイ!低音が響く!と感じるはず

この音量差が「ダイナミックレンジ」の正体である

シーズンインザサンの方が音が小さく聞こえるが、楽器やボーカルや残響などが綺麗に聞こえないだろうか?

これが「ダイナミックレンジがある」という言い方をする

SUMMER TIMEは2015年の音楽なので��音の時代の流行り��的にダイナミックレンジを犠牲にして音量を大きく聞こえさせるように収録している

みんな周りがそういう音だから自分だけ80年代90年代の音にするとショボく聞こえるんじゃないか?という理解し難いがそうせざるを得ない音デカ競争が2000年から続いている

つまりダイナミックレンジとは、音楽を波形にしたときにギザギザの上がり下がりがどのくらい残っているかを表す言葉だ

あまり専門的な言葉を使っても仕方ないのでそんな感じに受け取ってもらえたらいい

ギザギザが大きいと残響成分が聞こえやすく、ギザギザが詰まっていると残響成分は聞こえなくなりエレクトロニカやトランスのような無機質な平面的な音になってくるので「ダイナミックレンジがない」と言う

「ダイナミックレンジが増えた」

こんな馬鹿げた事を言ってる人がいたら思わず笑ってしまう

ダイナミックレンジが増えた減ったなどという怪奇現象が仮にあったとしても、人間の聴覚、または脳波的にそれがすぐに分かったら今すぐにでもその神様の聴力を活用して音楽の世界を変えて欲しいものだ

そこまでの聴覚があれば犬や猫のように遥か彼方の音も聞き取れるので天才ハンターになれる

CDの16bitデジタル信号の段階で根本的に限界があり、ダイナミックレンジが増える事があり得ない

イコライザードンシャリにすれば音質は変化するが、それはダイナミックレンジの変化ではなく化粧をしただけだ

「ダイナミックレンジが増えた!」

というのは「心のダイナミックレンジ」という事なのか?

16bitの世界では0dbを越える音は割れ、ノイズとして排出される

それを割らないためにコンプレッサーで0db以下に圧縮するが、その圧縮でダイナミックレンジは失われる

そのギザギザを取れば取るほどダイナミックレンジは無くなる

余談だが、32bitfloatというDTMerにしかわからないビットレートがあるのだが、完成した曲をコンプレッサーなど関係なくミキシングして32bitfloatで書き出すと0db以上になっても音が割れずにダイナミックレンジを残せるという知名度の低い技なのだが、これだと5分の曲で100mbを余裕で越えてくる

16bitwavならせいぜい40mb前後だが、32bitfloatはファイルの大きさが問題だし、まずDAWで書き出した段階でしか32bitfloatを作れないのであまり現実的ではない

もちろん32bitfloatとして0db越えで曲を作ってもmp3などにすれば意味がなくなってしまう

私がオーディオカルト宗教にハマる前にやるべきことを挙げたいのだが、まずは定期的に耳鼻科へ行って耳掃除を徹底的にすること

その後、聴覚を鍛えるために聴覚検査などでするようなピーという音が鳴ったらボタンを押すというトレーニングを毎日欠かさずやること

身体が衰えないような食事や運動をして健康を保つこと

40台になると聴覚は高音域が聞こえづらくなり、衰え始めるそうだ

そうならないためのトレーニングをして自信を得てから高級オーディオに手を出すべきだ

そして、その確かな自信と確信を胸に、スピーカーやケーブルに貼ると音が良くなる綿、塗ると音が良くなる水などをその場でどちらがやったものかの「ブラインドテスト」を店員と自分の2人でやるのだ

オーディオカルト信者はとにかく「ブラインドテスト」を嫌う

もしもブラインドテストで分からなかったら…?

合法的詐欺という事で答えが出るだろう

先入観と思い込みこそが人間心理を突いたオーディオカルト宗教の正体だ