世界が雨に啼く音

I CAN'Tで語る言葉たち…   

黐懿

街の中を彷徨う男

雨の中で、ボロボロの服をまとい、ずぶ濡れになりながら

誰も彼のことを見ようともしない

誰も彼の姿に驚きもしない

.

ずっと彷徨い続けた

そして波音の響く洞窟にやってきた

洞窟から見える陽の光と、深く真っ暗な中へ響く波音

怖いのに苦しいのに、誰もいないのにここへ来た

もう何も見えなくなった

洞窟の壁にもたれてうずくまる

もう何週間歩き続けたのか…どうして俺は死なないのか、夜が来ても眠くもならない

ただ波音を聞いて、ここにいようと思っている

.

そうだ

俺はこの前、死んだんだ